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渋谷・コクーン歌舞伎 第十六弾「切られの与三」製作発表

6月の信州・まつもと大歌舞伎にさきがけ、5月9日(水)より、Bunkamuraシアターコクーンで上演される渋谷・コクーン歌舞伎 第十六弾「切られの与三」の製作発表が、13日(金)、都内で行われました。
http://www.bunkamura.co.jp/s/cocoon/lineup/18_kabuki.html

美男美女が別れと再会を繰り返す江戸世話物の人気作『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)』を、まつもと市民芸術館 芸術監督の串田 和美さんが演出・美術、木ノ下歌舞伎主宰の木ノ下 裕一さんが補綴と聞いただけで「これは絶対見逃せない!!」という気持ちにさせらせます。
製作発表冒頭での、松竹株式会社副社長/演劇本部長の我孫子 正さんのご挨拶の中で「勘三郎さんがいたら、本当に喜ぶと思うのですが、木ノ下さんが高校生の時、初めて観た歌舞伎が、大阪の『平成中村座』の舞台で、その時感銘を受け、この世界に入られたそうです」というエピソードを披露され、会場内が明るい空気に包まれました。

 

以下、コメント抜粋です。

 

 

【演出・美術=串田 和美さん】
「切られの与三」は、ずいぶん前から、やりたかった作品です。瀬川如皐の書いた原作の『与話情浮名横櫛』は長すぎて、初演の時から書いた通りやったことは一回もないそうです。皆さんがよくご存知の『お富久しぶりだな』の後が、ものすごく長いのです。
与三郎が傷だらけになりながら、生き抜いていく姿から、哀しさとかいろいろなものが読み取れると思います」

 

 

 

 

 

【補綴=木ノ下 裕一さん】
「戦々恐々としておりますが、とても光栄です。
2002年に『夏祭浪花鑑』と『法界坊』を続けて観たら、興奮して熱を出しました。
コクーン歌舞伎は、古典をやっているのに、私たち現代人が『地続きでつながっている』『触れてさわれる』という手触りに、感動しました。死ぬ気で頑張ります!」

 

 

 

【与三郎=中村 七之助さん】
「今回は立役なので私なりに『与三郎』をいいものにしたいと思います。立役の役者さんにとっては、とてもやりたい役のようで、配役が発表されると、真っ先に幸四郎さんや愛之助さんが楽屋に飛び込んで来て『傷はこうやって描くんだ』とか、教えてくださいました。とても思い入れのある役のようです。まったく違う与三郎像にはなるでしょうが、先人の思いも込めてやらなくてはと思っています」

 

 

 

 

 

【お富=中村 梅枝さん】
「コクーン歌舞伎初挑戦で、不安とワクワクと、いろいろな感情が入り交じっています。
観終わったお客さまに『七之助の女方が観たかった』と言われないように、一生懸命つとめて参ります」

 

 

★後半、松本での公演についての質問に対し、串田監督は「2008年から始まった信州・まつもと大歌舞伎は、役者と街の人たちとの交流がとても盛んで、江戸の歌舞伎小屋も、きっとこういう感じだったんじゃないかなぁと思います。
この先、木ノ下歌舞伎や全国の地歌舞伎、郷土芸能などが集まってくるフェスティバルとして盛り上がったら、素晴らしいなぁと思います。歌舞伎=古典ではなく、歌舞伎=演劇の本質。松本で文化の核が膨らんでいるんだぞ、というのが夢です」

「松本が初めての梅枝くん、東京ではまずない、街でキャーキャーいわれるのを、楽しみにしていてください。あとお蕎麦もとても美味しいです」と七之助さん。

皆さんが松本に来るのが本当に待ち遠しいです。まずはコクーン歌舞伎のお稽古、頑張ってください!!

[文/市民記者=一志 さえ美]


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